屋久島の縦走は楽しい。
丸2日どっぷり、日常とあまりにかけ離れた時を、圧倒的な自然の中で過ごせる。
今回のルートは…
①淀川登山口~淀川小屋
②淀川小屋~黒味~宮之浦~新高塚小屋
③新高塚小屋~大株歩道~白谷雲水峡…を辿る。
本来なら、タップリと水を湛えた湿地帯なのだが…。
やや元気の無い「花之江河」だった。
ガスの中の黒味岳を往復し宮之浦岳へ。
天候は相変わらずで足早に頂上を後にする。
小雨の中、新高塚小屋へ。
頂上周辺から高度を下げ、深い森の縦走路に入ると、しっとりと屋久島ならではのゾクッとするような怪しいエネルギーに満ちた世界となる。
3日目も天気は悪いが、この雨こそが屋久島らしさを見せてくれる。
適度にガスが湧き、そぼ降る雨の森が屋久島に一番相応しい。
定番の、ウィルソン株の中から見上げたハート型の森。
森に包まれ、
その胎内を彷徨う。
俗世への出口が見えたとき、一抹の寂しさを感じるのは私だけではないだろう。
森の水が、海を肥やし、
我々の心を和ませ、
浄化してくれるような…。
名残惜しいが、
魑魅魍魎の待つ、
俗世へ戻るとするか。